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多様性
- 真宙 - mahiro -
- 2022年10月31日
- 読了時間: 1分
電車の中、読書に疲れて本を閉じた。
長い時間の読書は
この上なく疲れるようになった。
一応は持っている
いわゆる老眼鏡を常に使うように
勧められているが、煩わしさと
カッコ悪さを感じ、抵抗し続けている。
リーディンググラスと言われようが同じこと!
伏せていた目を上げると
前に座る人の足が目に飛び込んできた。
ひざ丈のスカートにきちんと揃えた足
ヒール8センチはあろうかという黒のパンプス
まっすぐ伸びた足はとても美しい。
肩にかかる明るい髪はカールされ
きれいに整っている。自然なメイクで
上品にうつり、どこか自信に溢れていた。
憧れをもって見入ったその人は、
よく見ると男性だった。
一見しただけではわからない。
よく見ないとわからない。
彼、彼女は本当にきれいな人だった。
我に返り、おもむろにバッグの中をかき回し
老眼鏡だってなんだっていいじゃない。
と取り出し、本を開き
もう一度だけ彼女を見て
個性的でいいじゃない。
堂々と生きるってすてきだと思う。
多様性の時代なのだから。
と心の中で伝えた。
mahiro
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